代表的な不整脈の一つに心房細動がありますが、心房細動は加齢とともに起こりやすく高齢者には割と多くみられる不整脈です。また、年齢に関係なくアルコールやストレス、過労などが原因となることもあります。心房細動になると心臓の動きが不規則になり、脈がバラバラに乱れます。自覚症状は動悸やめまい等がありますが、全く自覚症状がない人もいます。心房細動になると血栓(血のかたまり)ができやすくなり、血管が詰まる可能性が高まるので心筋梗塞や脳梗塞のリスクが上昇します。 心房細動は数分から数時間程度の短時間で正常の脈に戻る発作性と心房細動に固定してしまう慢性とに分けられます。発作性心房細動は薬で心房細動になりにくくしたり、カテーテルで心臓付近にある不整脈の原因となっている場所を焼き切るカテーテルアブレーションという治療法も行われています。慢性心房細動に固定してしまうと正常な脈に戻して維持するのは困難になるので、脈が速くなりすぎないようにしたり、血の塊(血栓)を出来にくくする薬で脳梗塞等を予防する治療になります。また、脈が遅くなりすぎると心不全や失神発作を起こすことがあり、ペースメーカーという小型の器械を埋め込んで心臓の動きを助ける治療が必要になる場合もあります。

 心房細動の治療は個々の症状、発作性か慢性か等によって治療法が変わってきますので、自覚症状がなくても健康診断など異常を指摘された際には早めに受診しましょう。