慢性閉塞性肺疾患は英語名のChronic Obstructive Pulmonary Diseaseの頭文字をとってCOPDとも呼ばれています。以前は肺気腫や慢性気管支炎という病気に分かれていましたが病態が共通するため、今ではひとつの疾患概念としてCOPDに統一されています。COPDの多くは喫煙により肺の構造が破壊され、空気の通り道が塞がれたり肺そのものが壊れてしまうため、息切れなどの症状が徐々に進行していく病気です。長年の喫煙により数十年の経過でゆっくりと進行するため気づきにくく、気づいた頃には日常生活に支障をきたすほど進行していて、破壊されてしまった肺は再生しないので元に戻ることはありません。進行すると息切れのため動くこともままならず、寝たきりのような生活になってしまったり、酸素を取り込む力も弱まって常に酸素吸入を必要とするため在宅酸素療法をおこなう必要がある等生活の質が極端に低下してしまうことがあります。潜在患者は推計500万人くらいいるのではないかと推測されていて、今後はCOPDが死因の上位に入ってくると予想されています。