気管支喘息は発作性に呼吸困難、喘鳴(ぜんめい)、咳嗽などの症状が起こり呼吸出来なくなる病気ですが、気道の慢性炎症が原因のため症状は反復性で発作の増悪と軽快を繰り返します。

 近年吸入ステロイドをはじめとした治療薬の進歩により死亡数は減少傾向にありますが、今なお年間2000人近い方が気管支喘息発作で亡くなっています。

 私が救急病院に勤務していた時は喘息発作を起こして瀕死の状態で救急搬送される方は結構多くおられ、その中には稀ではあるものの不幸にして亡くなってしまう方もいました。高齢者よりも若い人の方が発作を我慢して中々病院に来られず発作を重症化させてしまう傾向が強くみられます。将来有望な若者が喘息発作のために命を落としてしまうのはとても残念なことです。喘息は現在の医学では完治させることは出来ませんが、適切に発作をコントロールすれば普通の人とほぼ変わらない日常生活を送ることが可能です。