現在のところ、喫煙が人体に及ぼす影響の中で、医学的に証明された明らかなメリットはひとつもありません。逆に喫煙の悪影響は枚挙にいとまがなく、正に百害あって一利なしです。

 タバコによってリスクが高まる病気は、肺がん、喉頭がん、食道がんをはじめとした悪性腫瘍、高血圧、動脈硬化、糖尿病、脳卒中、心筋梗塞、認知症など数え切れないくらいですから、タバコをやめるだけでぐっと健康な体に近づきます。

 タバコを吸っている人と吸わない人の平均寿命はなんと10年も違います。 また、タバコは見た目にも大きな影響を与えます。俗に言う「スモーカーズフェイス」。シワが増え、歯や歯ぐきに着色が起こり、白髪が増えます。年月が経つごとにタバコを吸わない人よりも老けてみえるようになります。

 長年の喫煙が習慣化してしまい、タバコがやめられない方はニコチン依存症という病気です。「タバコなんかいつでも止められるよ」と思いながら吸い続けている方も多いと思いますが、実際にはそう簡単に止められる訳ではありません。

 ニコチン依存症のメカニズムは本質的に麻薬中毒と同じです。ニコチンの禁断症状を乗り越えるためにも、医療機関で禁煙補助薬の力を借りてタバコからの離脱を成功させましょう。

 禁煙治療は保険診療の対象ではありますが、保険診療が適応になるにはいくつか条件があります(下記1~5の全てを満たすこと)。

1. ニコチン依存症スクリーニングテストによりニコチン依存症と診断される
2. ブリンクマン指数(1日の喫煙本数×喫煙年数)が200以上ある(35歳以上の場合)
3. 1カ月以内に禁煙したいと思っている
4. 医師から受けた禁煙治療の説明に文書で同意する
5. 過去一年以内に保険診療の禁煙治療を受けていない

 日頃から「いつかは禁煙しようかな」と思っていた方、禁煙のきっかけがつかめずにいる方、勇気を出して始めてみませんか。

明日から・・・、ではなく今日から!

禁煙治療のながれ

禁煙治療は医師のアドバイス・カウンセリングに加え、禁煙補助薬を処方してニコチンの禁断症状を抑えながら12週間かけて禁煙を達成していく全5回のプログラムです。
禁煙治療アプリとCOチェッカーを併用(保険適応)すれば、更に禁煙成功率が高まるともいわれています。